スーパーオヤジギャグ〜(シリーズ〜奮闘百九十六日目〜編) [時間が止まる。]
退院した連れ合いは〜想像してたより元気だっ
た〜それは〜嬉しいことであり高揚感もある〜
連れ合いは〜入院している昼間は出来るだけソ
ファーに座り過ごしていたみたいだ〜
ソファー〜椅子じゃないの〜って私が訊くと〜
病室は個室だったので小さなソファーがあった
みたいだ〜
贅沢だか〜リラックス出来るのと気を使わなく
ていいし入院が五日で済むことも考慮した〜
その病棟は妊婦さんも多く入院されていて赤ち
ゃんの元気な声も聞こえたみたいだった〜
手術の事はどうだったの〜って私が訊くと〜
検査結果の前に期待を持たせるのもどうかと主
治医は気を使ったのか摘出した細胞の状態の説
明は無かったみたいだ〜
三週間後の審判が私達のこれからの生活の仕方
を決める事になる〜
スーパーオヤジギャグ〜(シリーズ〜奮闘百九十五日目〜編) [時間が止まる。]
洗面台の歯ブラシを置くところに連れ合いの歯
ブラシは無い〜
朝〜一瞬〜えっ〜て思うこともある〜
そうだ〜実家に帰ってるんだ〜と勘違いし〜
違う違う〜入院してるんだ〜と確かめ直す〜
何時もそばにいる連れ合いが居ないと〜
心に浮かぶ時空のパズルのピースが抜けている
のが感じる〜
何かで埋めたい気分になる〜
道を挟んでお向かいの御主人は妻を癌で無くさ
れた〜
以前は時々〜妻の名を叫んでいる様な雄叫びが
聞こえた〜
初めのうちは〜何だろうと聞き耳を立てて考え
ていた〜
やはり奥様の名前だと判断した〜
人は心のかなで時空のパズルを完成が出来ない
と雄叫びをあげるのかなって思ったりした〜
今日は連れ合いを迎えに行く〜
新たな生活が始まる様な気分である〜
スーパーオヤジギャグ〜(シリーズ〜奮闘百九十四日目〜編) [時間が止まる。]
連れ合いとはLINEで連絡をとっている〜
おはよう〜どうですか?〜とか〜お休み〜痛く無
いですか?〜とか何を訊いていいか迷うからであ
る〜
動きに関しては〜痛い時も有るけど〜ドレイン
が付いているのを忘れる時も有るらしい〜
まあ〜順調なのかな〜って思う〜
テレビでIKKOさんが〜
私の母も乳癌経験して87歳になりますけど元気
で頑張ってます〜って云っていた〜
連れ合いはそのテレビを見てないと思うので〜
退院したら言おうと思う〜
連れ合いに電話などは〜ベットに寝てるだけで
は無いと思うのでしない〜
点滴やリハビリ〜何かと術後は忙しいと思うか
らだ〜
明日〜上手く行けば退院の予定〜
早い気もするけど〜
後は通院で対処するらしい〜
これからも大変だ〜
スーパーオヤジギャグ〜(シリーズ〜奮闘百九十三日目〜編) [時間が止まる。]
待ちに待った連れ合いの主治医からの電話があ
った〜
手術は〜一時間位って聞いていたので〜朝一番
の手術だったので10時半には電話が有るだろう
と思っていたのだが〜電話かかってきたのは〜
11時半を回った位だった〜
手術は終りました〜二三時間後に歩く練習をし
ますとのことだった〜
普段なら主治医に色々しつこい位質問をするの
だが〜この時は〜ハイ分かりました〜宜しくお
願い致します〜だけ言って電話を終えた〜
私も膝などの手術の経験が有るので術後はどん
なもんか想像できるからだ〜
しかし〜術後〜二三時間で歩くリハビリは早い
ような気がする〜私が手術した病院は手術当日
はベットでの安静が決められていたからだ〜
手術の部位の違いは有るとは思うけど止血など
を考えると〜素人ながら〜えっ〜って感じだ〜
何れにせよ後からの追加連絡が無いので〜上手
く行っているのだと思う〜
スーパーオヤジギャグ〜(シリーズ〜奮闘百九十二日目〜編) [時間が止まる。]
朝からけたたましくは無いけれど消防車が半鐘
音を鳴らし走っていった〜
連れ合いの手術の日にそんな音を聞くと少し胸
騒ぎがする〜
自称〜あかんたれの連れ合いは〜どんな想いを
して手術に臨むか考えても的確な想いは分から
ない〜
アドバイスが有るとしたら〜
行ってらっしゃい〜きっと成功するから〜
私〜祈ってます〜
これなら多少ふざけているけど〜
リラックス出来るのでは〜って思っている〜
今はコロナ禍で手術の病院での待機も出来ない
ので家で主治医からの電話待機しかない〜
セールスの迷惑な電話もドキドキしながら取る
のかと思うと何か腹立たしくなる様な感じだ〜
今日は珍しく長い日になるのかな〜
スーパーオヤジギャグ〜(シリーズ〜奮闘百九十一日目〜編) [時間が止まる。]
連れ合いの握り拳より少し大きめの赤い巾着が
飯台の上に置いてある〜
その中には〜石切神社を初め地元の天満宮や〜
子供達が持って来た癌封じのお守りでいっぱい
だ〜
連れ合いは毎日〜願いがこもったこのかたまり
で体の悪い所をさすっている〜
それを持って入院し手術に備える〜
いざ入院の日になると〜自分が入院するより緊
張感が増してくるし胸騒ぎが起きてくる〜
以前〜手術前の主治医の説明で膝の手術よりも
早く終わりますよ〜って云われてぽか〜んとし
た程だった〜
今週は期待と不安が順番に私の心に巡る時間を
歩むことになる〜
スーパーオヤジギャグ〜(シリーズ〜奮闘百九十日目〜編) [時間が止まる。]
連れ合いの入院の日が近づいている〜
私が連れ合いに〜
何か入院で必要な物が有るか?〜って訊くと〜
別に無い〜痛いと思うから何も出来ないからい
い〜って云う〜
私も2ヶ月位しか入院したことが有るので〜
インスタントコヒーとかタブレットとか有ると
良いと思うのだが〜五日位の入院なので何も要
らないらしい〜
唯一〜タオルと寝間着はレンタルの方が良いと
それだけは〜連れ合いも受け入れてくれた〜
手術で切除した部分にドレインを付けるので〜
漏れたりしたらすぐに寝間着は替えてもらえる
から良いと思うからである〜
着替え無くても一日なんぼ〜その辺はもったい
ない気もするのだが〜タオル用意して下さい〜
など看護師さんの要求には直ぐに対応できるの
で事がスムーズに運ぶしストレスにならない〜
過ごしやすく入院生活を送る事は〜回復も早く
なると思う〜
五日位の入院だけれども〜色々考えてしまうの
は私が入院慣れしてるかもしれない〜
スーパーオヤジギャグ〜(シリーズ〜奮闘百八十九日目〜編) [時間が止まる。]
連れ合いの抗癌剤治療開始から〜
あの安倍元総理狙撃の日から私達の日々の行動
に変化があった〜
けっしてそれは悪い事ばかりでは無かった〜
連れ合いが里帰りして連れ合いの97歳の母の介
護に定期的にしていたのだが〜それが出来なく
なり〜
連れ合いの母は拒んでいた介護の方の世話にな
り出したし〜今ではロングステーまでしてくれ
るようになった〜
それは母と毎日暮らしている親族の大いなる助
けになった〜
うちに関しては〜
子供たちも親を思う気持ちがよく現れてきたと
思うし〜孫たちにもいえることでもある〜
私は毎日朝の家事をするようになった〜
其のことは微妙でわあるが〜他のオヤジたちよ
り家事の長年の大変さを理解するには十分な作
業である〜
連れ合いの癌の治癒により又〜日々の行動の変
化が有るとしたら〜それは〜幸せに感じる変化
かも知れない〜
スーパーオヤジギャグ〜(シリーズ〜奮闘百八十八日目〜編) [時間が止まる。]
連れ合いは乳癌かもって自覚するまで定期検診
など受けたことが無かった〜
そんなことから主治医に大腸癌のとか胃癌とか
他の臓器は大丈夫ですかね〜って尋ねると〜
細かな事はその臓器専門医で調べてもらって下
さいとのことだった〜
思うに大まかな癌はリンパ節以外の転移は無い
って言っておられたけど〜腫瘍マカーで検出さ
れている癌は何処かで潜んでいる可能性は亡き
にしもあらずだと思う〜
だが〜手術で取り出した部位の病的変異が無け
ればそれはそれで安心感は増すことになる〜
病的変異も細胞の壊れ方で見るらしいけど〜
私もポリープなどの検査を受けたさい〜
もう少しほっておいておくと癌になりますね〜
ってよく云われる〜
元々癌であった細胞の評価はどう見るか私には
良く分からない〜
何れにせよまだ手術も終わってないので今の事
に集中しょうと思う〜
スーパーオヤジギャグ〜(シリーズ〜奮闘百八十七日目〜編) [時間が止まる。]
連れ合いの胸のエコーとMRIを撮った〜
奇跡が有ったかのように8センチもあった癌の
幻影が無かった〜
そのことから〜乳房の部分切除か全摘か選べる
ことになった〜
どちらをとっても現状ではリスクは変わらない
とのことだった〜
連れ合いのは癌のあった付近をくり抜く部分切
除にすることにした〜
目でよく確認をして切除をしていくらしい〜
切除した部位の細胞は検査に回され〜
三週間後に結果が分かる〜
それによりその後の治療を決めるのだ〜
その頃からの放射線治療は決まっている〜
ただ乳癌付近のリンパ節の切除が厄介だ〜
五段階に切除パターンが分けられていて二段階
のレベルまで切除する〜
昔は全摘をしていたみたいだが〜
それをするとリンパ浮腫を招き切除した方の腕
のなどの腫れを招く〜それを防ぐためだ〜
放射線療法により何とかするみたいだ〜
切除の部位の検査結果では〜五年後再発率が〜
20パーセントを切ることができる〜
新たなこれからの人生の構想も変化に富む物に
なったようだ〜
ホッとした連れ合いの表情は〜
逆に穏やかな表情で疲れていた〜